[2013/08/05]
2013年タイ政府は総額2兆バーツに及ぶ大規模な交通インフラ整備計画を明らかにした。計画の中心となるのはバンコクと地方都市や国境都市を結ぶ高速鉄道4路線の建設をはじめとする鉄道関連インフラで、他に道路拡張や港湾設備の向上などが含まれる。4つの高速鉄道のうち、バンコクとパタヤを結ぶ路線を2018年完成予定で2013年秋にも入札を実施する予定になっている。タイでは過去にも大規模なインフラ整備計画が作成されたものの、実現に至らずにいた。今回の計画も、その資金規模の大きさから財政に与える影響が懸念材料となっている。
タイを含むASEAN諸国は、2015年のASEAN経済共同体(AEC)実現に向けて域内の物理的・制度的・人的コネクティビティを強化するためのマスタープランMPACを2010年に策定した。この中で、交通・運輸インフラの改善の具体的な目標と手法としてASEAN高速道路網(AHN)やシンガポール昆明鉄道(SKRL)の建設などが計画されているが、国ごとの状況の違いや資金調達の面で課題を抱え、早期の実現が難しいのが現状である。
とはいえ、継続的な経済成長のためには交通インフラの整備・近代化を避けて通ることは不可能である。また、急速に発展する都市における交通渋滞の問題も深刻化しており、ASEAN各国は、それぞれの国内事情に合わせ交通インフラの向上に取り組んでいる。ベトナムでは、ハノイ~ホーチミンを結ぶ幹線鉄道の近代化と2020年以降に同区間への高速鉄道の建設を計画しており、ホーチミンなど都市部での地下鉄・路面電車の建設もすでに進んでいる。マレーシアとシンガポールは、2013年2月にシンガポール~クアラルンプールを結ぶ高速鉄道を2020年までに建設することで合意した。インドネ.シアでも高速鉄道の敷設について調査が進んでおり、ジャカルタ市内では長年検討されていた地下鉄計画がついに動き始めた。ラオス、ミャンマーでは不確実な状況ではあるが、中国がこれらの国々における鉄道整備に関心を寄せており、SKRL計画の未完部分を含めて今後の動向が注目される。
ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |