[2013/07/08]
英国のキャサリン妃が男児を出産とのニュースが世界を駆け巡っている。今後、マタニティ・ベビー用品から記念品や外食、旅行といった分野まで、幅広く経済効果を及ぼすことが予想されている。英国では近年出生率が回復傾向にあるが、ロイヤルベビーの誕生がこの傾向に拍車をかける可能性もあり、ベビー用品業界としては期待したいところだ。
しかしながら、市場が飽和している欧米諸国に対し、ベビー用品の市場を牽引するのは新興諸国であることは疑いようもない。BRICs諸国の出生率はピークより低下しているものの、とりわけインドでは2.6(2011年、WHO世界保健統計)とまだまだ高い水準にあり、また富裕層やアッパーミドルの家庭を中心に子供に対する支出が増加していることから、ベビー向けの市場は高い成長を続けている。中間層以下の社会ではベビー用品に費やせる金額は低く留まっているが、低価格化や機能の向上などからユーザー層が広まっている紙オムツや共働きで時間のない夫婦に便利さから需要の増えているベビーフードなどのような製品もみられる。インド商工会議所協会(ASSOCHAM)の調査によると、ベビーフード、ベビー用スキンケア製品、紙オムツなどの市場は2012年におよそ300億ルピーだが、2014年まで年平均20%の成長が予想されるという。
インド市場における課題は、都市部以外の市場をいかに開拓できるかだと思われる。近年、世界的なベビーケア用品メーカーが、インドでのベビー用品に対する地方消費者の認識を高めるためのマスマーケティング活動に力を入れており、その成果が表れてきている。また、地方では流通の問題も大きいが、スーパーマーケットチェーンなどの地方進出に伴って入手できるベビーケア用品の種類なども増えており、市場拡大の条件が整いつつある。2012年には総合小売業への外資規制も緩和され、まだ障壁は高いものの今後大型外資チェーンの参入も見込まれる。
ベビー関連の市場は、ベビーフードやトイレタリなどの必需品から今後は玩具やファッションなどの嗜好品や教育サービスまで広がる可能性が高い。ローカルの事業者の増加に加えて、国外からさらに参入事業者が予想され、ベビー関連産業は一層活性化するだろう。
ガバレッジ国 | 141 ヶ国 |
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エキスパート国籍 | 138 ヶ国 |
対応言語 | 340 言語 |
エキスパート | 14,369 名 |
海外提携企業 | 421 社 |